投資未経験者の最初の一歩をサポートする
黒木留美です。
私事ですがiDeCoを始めて2年が経ちました。
40代の黒木にとって60歳は少し先の現実的な話であって、遠い将来の話ではありません。
躊躇うことなく始めました。
ですが、20代の方にとってはどうでしょうか?
随分先の遠い将来の話と思いますか?
税制優遇のメリットを理解できても、やはりデメリットが気になります。
iDeCoのデメリットは60歳まで解約出来ないこと。
iDeCoを始めてお金が足りなくなったら、どうしようという不安が原因で足踏みしている方が多いことは事実です。
期間が長いため気持ちがわからなくもありません。
そこで、こんなサービスを見つけました!
「お金のデザイン」のiDeCoサービスと「損保ジャパン日本興亜」のローンを組み合わせた新サービスが開始していました。
https://news.money-design.com/2019-03-29
早速調査開始です!
取材にご協力くださったのはお金のデザイン広報担当者様です。
「MYDC Plus」に関する調査内容
MYDC Plusに関する質問内容
黒木からの質問にお金のデザイン広報担当者様に答えていただきました。
Q1:損保ジャパンのローンが借りられるということですか?
A1:おっしゃる通りです。損保ジャパンの無担保ローンサービスが、特典としてつきます。
Q2:イメージは生命保険の契約者貸付でしょうか?
A2:いいえ、違います。
Q3:iDeCoの積立金額が貸付金額の上限になりますか?
A3:iDeCoの積立金額とは関係ありません。
恐れ入りますが弊社はローンの斡旋・提供は行なっていないため、ローンの詳細についてはお答えできかねます。
貸付金額など関しては、詳しくは損保ジャパン様にお問い合わせください。
Q4:金利はどのくらいを想定していますか?
A4:詳しくは損保ジャパン様にお問い合わせください。
Q5:返済期間は決まっていますか?
A5:詳しくは損保ジャパン様にお問い合わせください。
当サービスに関してですが、ローンの詳細については
弊社よりお答えすることができません。
もしよろしければ、損保ジャパンの広報担当をご紹介いたしますが、いかがでしょうか?
当初に想像していた内容と少し違いが見えてきました。
「MYDC Plus」加入者限定のローン金利優遇ってこと?
であれば、もう少し詳しくローンの内容が知りたい!
お金のデザイン広報担当者様のお言葉に甘えて、損保ジャパン日本興亜の広報担当者様をご紹介いただきました。
損保ジャパン日本興亜のローン詳細について質問内容
黒木からの質問に損保ジャパン日本興亜の広報担当者様に答えていただきました。
Q1:サービスとしてはフリーローンの金利優遇なのか。
どの程度の優遇幅なのか。
A1:車の購入や教育資金などの目的別ローンを対象としたサービスであり、
フリーローンは対象外です。
市場の金利情勢を踏まえ、企業や団体さまと協議のうえ決定します。
具体的な優遇幅についての回答は差し控えさせていただきます。申し訳ございません。
Q2:iDeCoの残高により融資額の上限があるのか。
A2:iDeCoの残高による融資額の上限は特に設けておりませんが、
企業・団体さまごと資金使途に応じた上限金額を設定しています。
具体的な融資上限額の回答は差し控えさせていただきます。申し訳ございません。
Q3:具体的にどんな手続きをとるのか。
お金のデザインでiDeCoをしている証明などは必要か。
A3:お金のデザイン社のiDeCo加入者専用ページからローン申込み手続きを行っていただきます。
申込みには加入者専用ID・PWが必要となります(加入証明書の提出は不要です)。
Q4:運営管理機関の変更でお金のデザインから
他の運営管理機関に移管した場合はどうなるのか。
A4:ローンのご利用は、お金のデザイン社でiDeCoに加入していることが条件です。
他の運営管理機関に移管した場合、ご利用中のローンについては契約終了まで継続できますが、
iDeCo加入者向けローンの新規申込みはできません。
Q5:企業型DCに移換する場合はどうなるのか。
A5:ローンのご利用は、お金のデザイン社でiDeCoに加入していることが条件です。
企業型DCに移管した場合、ご利用中のローンについては契約終了まで継続できますが、
iDeCo加入者向けローンの新規申込みはできません。
調査報告
「MYDC Plus」とはお金のデザインのiDeCoサービス「MYDC」の加入者限定の車の購入や教育資金といった目的別ローン金利優遇というサービスです。ローンを組む段階で加入していることが条件となっています。その後、別の運営管理機関に移管してもそのローンに関しては契約終了まで継続可能です。
このサービスの目的は?
このサービスは現役世代の不安を取り除くために考えられたようです。
老後の資産形成を特に必要とする「現役世代」は、ライフイベントも多く、急にお金が必要になることもあるでしょう。
加入したあとにお金が必要になっても、無担保でローンが受けられて家計の足しにできれば、iDeCoの加入も進むのではないでしょうか?
実際に、アメリカでは標準的なiDeCoには加入者向けのローンサービスがついている場合が多く見られます。
※お金のデザイン Blog
確かに、長い加入期間に急にお金が必要になることもあるでしょう。
そんな時に無担保でローンが受けられるということは心強く、加入へ後押しになり得ると考えられます。
アメリカでは標準的なサービスのようなので、今後日本でも増えてくるかもしれません。
現に中国銀行や香川銀行では住宅ローンを組む時にその銀行でiDeCoに加入しているとローン金利優遇があります。
当初私はiDeCoの残高までローンが組めるなど、iDeCoと連携した内容のローンになるのかと思っていました。
生命保険の契約者貸付のようなイメージかとも考えました。
ですが、iDeCoは担保に入れられない、差し押さえの対象にならない、という権利がみとめられているため、この考え方はありえません。
以下に根拠となる条文を記載します。
確定拠出年金法第32条
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。
ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。
※厚生労働省 HP
ローン金利優遇幅など不明なため、これからの発展に期待したいと思います。
そもそもiDeCoをしながらローンを組むメリットはあるのか?
また何より、iDeCoに加入すれば全額所得控除(年収によって節税15~55%)という運用益が非課税になり、複利効果が期待できますので、節税メリットがローン金利の負担を上回る可能性があるといえるのではないでしょうか?
※選択する商品や、運用成績に左右されるため必ずしもその通りになるわけではありません。
出所:お金のデザイン Blog
可能性としては確かにあります。
所得税率の高い方だと節税額が大きくなりますから。
運用益+節税の率でローンの金利負担を超える可能性は十分にあり得ます。
ただし、逆に所得税率の低い方だとリスクがあります。
このあたりを理解して使えますか?
自分の所得税率とiDeCoの運用益からローンの金利負担を超えているかどうか、計算できますか?
安易にローンを使うことは賛成できません。
もし利用するときは一度計算することをお勧めします。
もしご自身で計算できないときにはファイナシャルプランナーにご相談ください。
現段階では加入者の方が利用するには一工夫必要だと思います。
少し難しく感じましたか?
基本的にローンと資産運用は別々に考えたほうがわかりやすいですよ。
ローン以外にもiDeCoのデメリットを補う方法
例えば、ライフプランを立てるという方法があります。
車の購入や教育資金の準備はある程度出費のある時期が予測されます。
車は大体何年毎に購入するか決めておられますか?
子供が生まれれば、7年後には小学校入学、13年後には中学校入学、16年後には高校入学、19年後には大学入学と時期がはっきりと分かっています。
逆算して、必要なお金を準備していきませんか?
これらのライフイベントから、ライフプランを立てませんか?
そこからキャッシュフロー表を作っていけば、人生における大きな出費で慌てることはありません。
インターネットで無料のソフトもありますから、ご自身で作ることも可能です。
もし自分で作ることが出来ないときにはファイナシャルプランナーにご相談ください。
最後に取材に快く協力してくださったお金のデザイン広報担当者様と損保ジャパン日本興亜の広報担当者様に心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。
これからも引き続き新しい情報を調査していきます!